2007年4月、広島大学に設置された寄附講座 「臨床評価・分子栄養科学講座」において、食品の臨床研究を継続的に実施するシステムを立ち上げました。
それ以来、2010年に「臨床評価・予防医学プロジェクト研究センター」に、2018年に「未病・予防医学共同研究講座」と名称を変えながらも、15年間様々な食品臨床研究を実施してまいりました。
これまでに延べ4500人以上のボランティアの方にご協力いただき、お蔭様で、実施した食品臨床研究は研究室全体で41件に上りました。皆様のご協力に、大変感謝致しております。
これらの成果から、いくつかの機能性表示食品も誕生しています。
この度、未病・予防医学共同研究講座において、食品の機能性評価の受託研究を大幅に縮小する方針となったため、2022年4月からは、広島大学病院 未来医療センター内に新しい部門を立ち上げ、食品臨床研究を継続する運びとなりました。
これまでの食品臨床研究の実施責任者が異動し、引き続き、臨床研究実施を担当します。
2015年には「機能性表示食品制度」がスタートし、企業責任において、商品に食品の機能性を表示できることになりました。このことにより、人々が自分に合う機能性食品を選び易くなりました。
また、従来の特定保健用食品と異なり、サプリメントのようないわゆる健康食品だけでなく、農林水産物の機能性表示も可能です。
健康長寿社会形成のためにも、健康の基本は食です。
人々が正しいものを選択できるようにするためには、臨床研究によって科学的エビデンスを得ることが不可欠です。
私達は、健康長寿の実現に向けて、一助となるべく、1件1件着実に、食品臨床研究を進めていくつもりです。
さらに、国立大学において機能性食品の臨床研究を低コストで行うことにより、国内産業の発展にも貢献することができると考えています。
今回、新しい部門において再スタートを切り、引き続き、食品の臨床研究や腸内マイクロバイオームの研究を推進していきます。
2022年3月